日本のAmazon出品者(FBA・自己発送):広告費の消費税10%、取り戻せる人と損をする人

amazon.co.jpの広告費の消費税10%は、課税事業者ならアマゾンジャパンの適格請求書で控除できます。免税事業者が登録すると、消費者向けの出品者はたいてい損をします。

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日本の国旗を立てた段ボール箱と、消費税の行が黄色で強調されたAmazon広告の請求書、箱へ戻る点線の矢印:日本の出品者が取り戻す広告費の消費税

amazon.co.jpのスポンサー広告には消費税10%がかかり、請求するのはアマゾンジャパン合同会社(登録番号T3040001028447)です。一般課税の課税事業者なら、この10%はセラーセントラルでダウンロードできる適格請求書で全額控除できます。免税事業者は1円も取り戻せません。 ただし、免税事業者がインボイス登録をすると、広告の10%を取り戻す代わりに売上の消費税を納めることになり、消費者に売る出品者はたいてい損をします。得をするのは、事業者向け(B2B)に売る出品者です。

ご自身の金額で試すには:Amazon広告の消費税計算ツール(日本・出品者)。

日本に住む、または日本で販売するFBA・自己発送の出品者向けに、国税庁の資料とAmazonの公式ページで2026年10月に確認した内容です。

ひと目でわかる結論

あなたの状況広告費の消費税10%理由
課税事業者・一般課税控除できる適格請求書で仕入税額控除
簡易課税・2割特例・3割特例影響しない売上の税額だけで計算する
免税事業者戻らない免税事業者は控除できない
amazon.comなど海外の広告かからないAmazonは日本の広告に課税しない

誰が請求し、請求書はどこにあるか

amazon.co.jpの広告の契約相手は、アマゾンジャパン合同会社です(Amazon Advertising Agreementの「Amazon Contracting Party」)。同社は令和5年10月1日から適格請求書発行事業者で、登録番号はT3040001028447です(国税庁インボイス公表サイト)。

セラーセントラルのインボイス制度FAQによると:

  • 広告費用は、FBA料金・送料・販売手数料と同じく、1か月分を1行にまとめた適格請求書で発行されます。
  • ダウンロードは「レポート」→「タックス関連文書ライブラリ」から。手数料明細書から「適格請求書」、出品者手数料負担額通知書から「適格返還請求書」を取得します。
  • 10年間ダウンロードできます。
  • 控除を受けるには、Amazonがセラーセントラルで提供する請求書を保存しておく必要があります。

セラーセントラルの「消費税の設定」で入力する登録番号は、お客様に渡すインボイスのためのものです。広告の請求書を受け取るために入力するものではありません。

控除し忘れた過去の広告費は

課税事業者だった期間の分は、法定申告期限から5年以内なら「更正の請求」で取り戻せます(国税庁 D1-30)。請求書は10年間ダウンロードできるので、過去の適格請求書を集めて、税務署に提出します。

免税事業者だった期間の分は戻りません。

免税事業者がインボイス登録すると得か

基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として免税事業者です(No.6501)。前年1〜6月の売上が1,000万円を超えると、特定期間の判定で課税事業者になることがあります。

インボイス登録をすると、売上にかかわらず課税事業者になります(No.6498)。広告の10%は控除できるようになりますが、売上の消費税を納めることになります。お客様が消費者なら、その消費税は誰も取り戻せません。

計算例: 消費者向けに雑貨を売る出品者。価格は登録の前後で変えないとします。毎月、売上50万円(税込)、国内の問屋からの仕入れ20万円(税込)、広告費10万円+消費税1万円。

区分毎月の納付税額手元に残る額
免税事業者0円190,000円
一般課税17,273円172,727円
簡易課税(小売業80%)・2割特例9,091円180,909円
3割特例13,636円176,364円
  • 一般課税:売上の消費税45,455円から、仕入れ18,182円と広告10,000円を差し引いて17,273円を納付。年に約20万7千円の損です。FBA手数料の消費税も控除できるので差は縮みますが、この利益率では消えません。
  • 簡易課税・2割特例:小売業のみなし仕入率は80%(No.6505)、2割特例は売上税額の2割の納付です。どちらも広告の10%は計算に入りません。2割特例は令和8年9月30日を含む課税期間まで、つまり個人は2026年分が最後です。
  • 3割特例:個人事業者は令和9年・10年の課税期間に、売上税額の3割を納付する経過措置があります(No.6498)。

消費者向けの出品者にとって、広告の10%を取り戻すための登録は、たいてい損です。 価格を上げられる場合や、利益率が低く仕入れの消費税が大きい場合は、計算が変わります。

課税事業者選択届出書を出すと、2年間は免税事業者に戻れません(No.6501)。

事業者向け(B2B)に売る出品者

取引先が課税事業者なら、登録すれば広告の10%がそのまま得になります。 取引先はあなたの適格請求書で売上の消費税を控除できるので、10%を上乗せしても負担になりません。インボイスを求める取引先も多いはずです。計算ツールでは「Seller to businesses (B2B)」を選んでください。

食品を売る出品者

飲食料品の売上は軽減税率8%です(No.6102)。広告の10%は控除できるので、一般課税なら差が出やすくなります。なお、飲食料品の税率を令和9年4月1日から2年間1%に下げる案が出ています(国税庁・財務省の特設サイト)。法案の成立が前提で、成立すれば、食品の出品者は一般課税で還付を受けやすくなります。

海外の出品者(FBAで日本に輸入して販売)

  • 輸入消費税:税関で払った輸入消費税は、課税事業者なら控除できます。Amazonによると、出品者の法人番号で支払い、輸入許可通知書を保存しておく必要があります(セラーセントラルFAQ)。
  • 簡易課税・2割特例・3割特例は使えません:令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、国内に恒久的施設を持たない国外事業者は対象外です(No.6505、インボイスQ&A問115・問115-2)。
  • 特定期間の判定で給与基準は使えません(No.6501)。
  • amazon.co.jpの広告:インターネット広告の配信の内外判定は、役務の提供を受ける者の住所等で行い、国外に本店がある法人は、日本に支店があっても国外取引になります(国税庁 国境を越えた役務の提供Q&A 問1・問12)。本店が国外の出品者の広告請求書に10%が載っていたら、この2問を示してAmazonに確認してください。国外取引にかかった消費税は、課税事業者でも控除できません。自分の取引について国税庁の回答を文書で得たい場合は、「事前照会に対する文書回答手続」が使えます。

amazon.comなど海外のAmazonの広告

日本の出品者がamazon.comで出す広告に、日本の消費税はかかりません。 Amazonの「Tax on Remote Services FAQ」は日本について、出品手数料は消費税の対象、広告は対象外としています。

国税庁の考え方も同じです。インターネット広告は「事業者向け電気通信利用役務の提供」で(Q&A問3-1)、納税するのは受け手です(問5)。免税事業者は申告不要(問26)、課税売上割合95%以上の一般課税や簡易課税・2割特例・3割特例の期間は「なかったもの」とされます(問5)。

それでも請求書に消費税が載っていたら、セラーサポートで「Selling on Amazon」→「My issue is not listed」と進み、返金を依頼できます(同FAQ)。

よくある質問

インボイス登録をしないと、広告の消費税は控除できませんか?

いいえ。「消費税課税事業者選択届出書」で課税事業者になれば、一般課税で控除できます。必要なのは、課税事業者であることと、適格請求書の保存です。

免税事業者のときに払った広告費の消費税は戻りますか?

戻りません。控除できるのは、課税事業者だった課税期間の広告費だけです。

FBA手数料の消費税も同じですか?

同じです。アマゾンジャパン合同会社の適格請求書で、一般課税の課税事業者は控除できます。

改めて試算するには:Amazon広告の消費税計算ツール(日本・出品者)。売れない広告費を減らすには除外キーワードと在庫切れのときの広告をご覧ください。KDPの著者は日本のKDP著者向け:Amazon広告の消費税10%を取り戻す方法へ。

出典

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